求人情報を探す時、あなたはどういう視点で見ていますか?
この記事では、たくさんある求人情報の中から、どういう視点で見たら働きたい会社を探すことができるのか、ポイントを挙げてみました。
トラック運転手の求人情報を見る前に行うこと
結論としては、あなたが希望する勤務条件を明確にしておくということです。
コンプライアンス的にブラックな会社は論外ですが、そうでなければ「どの会社が良い会社なのか」は、人によって感じ方が違うものです。
社会の実態は、たくさんの運送会社が存在し、その多くの会社がドライバー不足という状況です。
そのため、たくさんの求人情報を見かけることになりますが、その中から自分にとって、この会社で働きたいと思える会社を探すのは至難の業です。
何も考えずに求人情報を見てしまっては、沼にハマってしまう可能性があります。
それを防ぐために、あらかじめ自己の棚卸しをして、希望する勤務条件を明確にしておきましょう。
ハード面による棚卸しを行う
ハード面とは、自分の意志ではどうにもならない部分のことです。
例えば、魅力的な会社を見つけたけど、通勤に車で3時間かかるとなったら、現実的には入社はできませんよね?
このように、求人情報を探すときに自分の意志ではどうにもならず、除外フィルターとなる部分を明確にするということです。
1.所持している運転免許は何か?
今この瞬間に所持している運転免許は何かを確認しておきましょう。
やはり運転職に就職する場合には、一番最初に考えることです。
所持している運転免許では「どのトラックを運転できるのか」=「その会社が求めている求人に合致するのか」ということになりますので、明確にしておきましょう。
ちなみに、「今この瞬間に所持している」と強調したのには、理由があります。それは、求人情報の中に「大型運転免許を取得するための費用負担制度あり」のような記載がある場合があるからです。
そのような制度があるかどうかは、会社を評価する目安にはなりますが、あなた自身がその制度を利用できるかどうかは別物なので、その制度に過度に期待しないということです。
2.通勤は、何を使って、どこまで通えるか?
体感的には、自家用車で片道1時間かかるくらいが限界点だと感じます。
やはり通勤は毎日のことなので、無理がない範囲で勤務できるかを考える必要があります。
ちなみに、トラック運転手の場合には公共交通機関(バスや電車)を利用している人は少ないと感じます。
実際に私の周りは全員が自家用車、バイク、自転車、徒歩のいずれかで通勤しています。勤務時間帯によっては、バスや電車がそもそも運行していないため、必然的にそうなります。
送迎バスが出ている会社に勤務していた時は、その利用者は倉庫内でピッキングなどを行っているパートさんに利用してもらう想定でした。
なお、転居を伴う入社の場合には「引越し費用を援助します」といった会社もありますので、転居を考えている場合には、どういう場合に援助してもらえるのか、きちんと確認しておきましょう。
ソフト面による棚卸しを行う
ソフト面とは、自分の意志でどこまで我慢できるかという部分です。
例えば、本当は毎週日曜日は休みたいのに、採用してもらいたい思いから希望条件を無理した結果、入社早々に嫌になって退職することに・・といったこともあり得ます。
これは一例ですが、早く次の会社で働きたいと焦ってしまうことがあります。焦ってしまうと再就職に失敗する結果となってしまう可能性もあるので、これを避けるためにも希望条件を明確にしておきましょう。
1.給与についてどう考えるか?
希望月収や希望年収は、面接でも聞かれますので、いくら稼ぎたいのか?明確にしておきましょう。
ほぼほぼ所持している運転免許と実際に乗車するトラックの大きさで、給与はほぼ決まってしまうわけですが、この金額で不満はないかという視点です。
基本給は、乗車するトラックの大きさでほぼ決まり、それに最大月80時間の超過勤務手当をプラスした分が給与になります。会社によっては、加えて扶養手当や通勤手当などが合算されて総支給額が算出される形です。
ザックリですが・・
2t・・基本給〇〇万円+(その他の手当)+超過勤務手当=総支給額
3t・・基本給〇〇万円+(その他の手当)+超過勤務手当=総支給額
4t・・基本給〇〇万円+(その他の手当)+超過勤務手当=総支給額
大型・・基本給〇〇万円+(その他の手当)+超過勤務手当=総支給額
トレーラー・・基本給〇〇万円+(その他の手当)+超過勤務手当=総支給額
※会社によって、基本給に何らかの手当を組み入れるケースもあり
さらに所得税や社会保険料などの控除額も考慮しておかなければなりません。
ザックリですが・・
総支給額ー控除額(約5万円)=手取り額
と考えておけば、当たらずとも遠からずです。
2.勤務時間についてどう考えるか?
1日24時間あるうちのどの時間帯で働きたいかです。
大抵の会社では、1日当たり8時間の労働時間+1時間の休憩時間の9時間拘束をベースにして、超えた分を超過勤務時間として割増賃金を支給する仕組みを取っています。
(※長距離ドライバーや週休3日制の場合などは異なる)
経験則として、12時間くらい勤務する(3時間近くの超過勤務時間が発生している)ことを想定して、勤務時間は12時間と見積もっておくのがいいと思います。
つまり、1日を2分割して、12時間で区切って、どの時間帯で働きたいかを考えておくと良いです。
具体的には、始業が8時なら終業は20時まで、同じく始業が12時なら終業は0時まで、という具合に考えておくということです。
3.休日についてどう考えるか?
絶対に休みたい曜日を1日決め、その他の曜日は全て働けるかどうかです。
労働基準法の視点では、毎週少なくとも1回又は4週間を通じ4日以上与えなければならないことになっています。要するにこれが休日が最少であるケースというわけです。
実際には、その職場において、全員が土曜と日曜は休日と決まっていることもありますし、365日稼働しているためにシフト制で休日が曜日で固定されないこともあります。
つまり、あらかじめ絶対に休みたい曜日を明確にしておけば、求人情報を見た段階で、受け入れられるのか、除外するのかを判断しやすくなるということです。
その他、5勤して2連休がいいとか、3~4日勤務ごとに1日の休みがいいとか、自分なりの働くペースを軸にしたい場合は、それを決めておくことも重要なことです。
4.給与、勤務時間、休日の3要素のバランスでほぼ決まる
3要素のどこを重視するかによって、同じ求人を見ていても見え方が違ってくるはずです。
普通の人間であれば、勤務時間は短くて、休日は多くて、給与も多ければ嬉しいものです。
休日が少なかったり、勤務時間が長ければ給与は多くなります。逆に給与が多いと言うことは労働時間が多くなり、プライベートの時間は少なくなります。
つまり、この3つの要素は相互に絡み合ってきます。
あなたはどこを重視するのか、しっかりと考えを整理しましょう。
メンタル面による棚卸しを行う
メンタル面とは、自分の内面的な気持ちによる部分です。
トラック運転手という職種にこだわる必要性というような、抽象的なことです。
1.なぜトラック運転手を選んだのか?続けたいのか?
トラック運転手の主な仕事は荷物を運ぶことです。
そもそも運転することが好きなのか?荷物を運ぶことが好きなのか?他に理由があるのか。このような問いに素直な気持ちで向き合う必要があると思います。
というのも、生活のために働かなくてはいけない。そのために自分ができることは運転職くらいしかないか・・。みたいな感じでトラックドライバー職を軽視して入社した新人さんも居ましたが、間もなく去っていったこともあったからです。
会社としても、本人としても、長く働いてもらいたいと願っています。お互いが不幸になる結果は避けたいと考えるのが自然ですよね。
2.身体がきついのか?
今の会社を辞める理由が「身体がきついこと」である場合には、これから再就職したい会社では扱う荷物が何なのか?という視点はとても重要です。
手積み手降ろしの仕事とカゴ車を扱う仕事では、やはり身体への負担も違ってきます。
3.出世欲があるかどうか?
出世欲がある場合は、今の会社の中で上を目指すことを第一候補としたいです。
やはり他の会社へ移るということは、これまでのその会社での蓄積がリセットされることにもなるため、慎重さが求められます。
確かに今の会社にとどまって、班長やリーダーといったドライバーをまとめる役職に就いて、その手当として1万円くらいもらったとしても、それをも上回る魅力的な条件があるなら転職もアリなのかもしれません。
いずれにしても、決めるのは本人であり、人それぞれの価値観によります。
ちなみに人によっては出世欲が全くない人もいますので、出世だけが全てではないということです。
希望する勤務条件が明確になると求人情報が浮かび上がる
このように希望する勤務条件を明確にしておくと求人情報を客観視することができます。
客観視できると、機械的に「この求人は自分には無関係だ。」とか、「この求人は候補として精査すべきだ。」といった具合にふるいにかけることがしやすくなります。
その結果、例えば転職サイトを活用する場合であれば、求人情報が新しく更新されたとしても、あっという間に応募する候補が浮かび上がってきます。
棚卸しすることで自分の心の声が湧き出る
実は、ここまでの内容は私自身が自然と行っていたプロセスです。
私に限らずとも、トラック運転手からトラック運転手へと会社を変わったことがある人なら、ほとんどの人がたどってきているのではないでしょうか。
つまり、何となく求人情報を探すのではなく、きちんと探すという話です。
面接の時に志望動機を聞かれても自分の心の中から湧き出る言葉で語れるようになるため、自分の棚卸しをすることは重要です。
これらの一連の内容をひっくるめて、転職活動であるというわけです。